こんにちは、薬局ぽっぽの大平です。
蒸し暑い日が続いていますね。梅雨明けももうすぐでしょうか?
さて、前回は、水溶性食物繊維について基本的なことをお話ししました。今回は、水溶性食物繊維の形や腸内細菌とのかかわりについてお話ししていきます!
善玉菌のもととなる「水溶性食物繊維」
食物繊維は水に対する溶けやすさから、不溶性食物繊維と水溶性食物繊維に分類されます。
水溶性食物繊維は、名前の通り水に溶けやすい食物繊維です。
前回もお話しましたが、水溶性食物繊維はヒトの体では消化することのできない特殊な形をしているため、腸に吸収されずに大腸に住む腸内細菌のエサになります。
大腸に住んでいる腸内細菌のうち、とくに善玉菌と呼ばれる細菌が、水溶性食物繊維をエサに短鎖脂肪酸などの物質を作り出します。短鎖脂肪酸は、体に吸収されると血糖値を下げるホルモンの分泌を促すなど、体に良い働きをしてくれます。
普段の食事から意識して水溶性食物繊維を摂取することが「腸活」につながります!
「糖」は「糖」でも吸収されない!
水溶性食物繊維は糖がたくさんつながっている形をしています。
「糖」と聞くと、体に良くないイメージがあるかもしれませんね。でも、水溶性食物繊維の「糖」は、一般的なショ糖(砂糖)とは異なる特殊なつながり方をしているため、ヒトの持つ酵素では分解することができません。
水溶性食物繊維は、糖の一種でありながら体内に吸収されないのです。
水溶性食物繊維の糖のつながり方には、直鎖型と分岐型の2種類があります。
イメージとしては、ヒモのように1本に伸びているものが直鎖型、木の幹から枝へと様々な方向に伸びているものが分岐型です。
特殊な機能で分解、食べるのは端っこから…
体内に吸収されない水溶性食物繊維ですが、腸内細菌はどのように食べる(消化する)のでしょうか?
腸内細菌は、ヒトにはない特殊な分解酵素を持っています。特殊な分解酵素が、たくさんの糖がつながっている水溶性食物繊維を一つ一つの糖に分解して消化するのです。
ただ、この分解酵素は、たくさんの糖のつながりのうち、一番端っこからでしか分解することができません。たとえば……
糖 ― 糖 ― 糖 ― …… ― 糖 ― 糖
このように、たくさんの糖がつながっているとき、分解酵素では左端と右端の糖だけしか分解できないのです。
水溶性食物繊維の糖のつながりはかなり長く、その数は数百、数千個あります。
分解酵素により外側の糖から一つずつ分解、消化して(食べて)いくので、腸内細菌が水溶性食物繊維を完全に分解しきるには、かなりの時間がかかってしまうのです。
実はカタチが重要?
水溶性食物繊維には、一直線につながっている直鎖型と、木の枝のように様々な方向に伸びている分岐型があります。この形は、腸内細菌がエサとするなかで、とても重要なことにつながっています。
さて何が重要なのか……? については、次回お話ししたいと思います!
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