漢方のお悩み

春といえば花粉症… 漢方薬での治療もアリ?!

こんにちは、薬局ぽっぽの大平です。

少しずつ暖かい日が増えてきましたね。気温が上がってくると、飛散量が増えてくるのは花粉です。

幸い私自身は発症していないのですが、花粉症持ちの家族は、いろいろな症状が出てきています。

強い目のかゆみやくしゃみ、鼻水など、花粉症の症状はさまざまです。花粉症と一概にいうけれど、人によって症状が違うので、何の薬を使えばよいのか、薬の使い分けが必要なのか、眠気が出るのか……など、よく分からないことも多いですね。

今回は、現代医学と中医学で花粉症に対する考え方と、それぞれのメリットやデメリットについてお話しします。

異物を外へ出そうとするのが「花粉症」

実は、「花粉症」は正式な医学用語ではありません。正式には「アレルギー性鼻炎」といいます。

花粉(異物)が体内に入ると、異物を体の外へと排除しようとする過剰な免疫反応(アレルギー反応)が起こります。

くしゃみや鼻水、目のかゆみなどは、異物である花粉を体の外へと出そうとしているため起きる症状なのです。

現代医学と中医学で異なる治療法

花粉症の治療法は、現代医学と中医学では少し異なります。

現代医学の治療

現代医学では、主に過剰になっているアレルギー反応を抑えることで、症状が出るのを防ぐことを目的とした治療が行われます。抗アレルギー薬や抗ヒスタミン薬などが処方されることが多いです。

中医学の治療

中医学(漢方医学)の治療では、証(症状の分類)によって全く異なる漢方薬を用います。

たとえば、水のような鼻水が出る場合には、“体内に冷えがある”と考えて、体を温める漢方薬を使います。目のかゆみや喉のかゆみ、違和感などある場合には、“体内に熱がある”と考えて、体の過剰な熱を冷ます漢方薬を使います。

中医学の特徴は、同じ花粉症の症状でも正反対の漢方薬を用いることがあることです。

では、それぞれの薬のメリットとデメリットには差があるのでしょうか?

現代医学のメリット・デメリット

現代医学の薬のメリットとしては、目薬や点鼻薬など一部分にだけ効果のある薬が使われるため、副作用を引き起こしにくいということが挙げられます。

古いタイプの点鼻薬には副作用を引き起こしやすいものもありますので、注意が必要です

デメリットがあるのは飲み薬です。飲み薬(抗アレルギー薬)は、効果に個人差が大きく、効果を十分に感じられる人もいれば、全く症状が治まらない人もいます。残念ながら全員に効く薬はないのです。

また、抗アレルギー薬は、種類によって眠気の副作用を起こしやすいもあります。車の運転や機械を扱う仕事、高い集中力が求められる人には勧めにくいのが現状です。

漢方薬のメリット・デメリット

漢方薬のメリットとしては、第一に眠気の副作用が出ないことです。アレルギー反応を抑える作用がないので、眠くなる心配がありません。

また、漢方薬の場合、証(症状の分類)にあった薬を選択できます。人によって異なる花粉症の症状ですが、その人に合わせて使い分けができるのもメリットのひとつです。

デメリットとしては、自分に合った漢方薬を見つけるのが難しいことです。正しい知識がないと、自分の症状に合っていない漢方薬を選んでしまう可能性があります。

漢方薬を試すときは薬局に相談を

現代医学・中医学の治療には、それぞれに良い点や難点があります。

現代医学での治療で症状が落ち着いているのであれば、無理に漢方薬を試す必要はないと思います。でも、病院でもらう薬で症状が治まらない場合には、漢方薬を使ってみるのもよいのではないでしょうか。日々の生活に悪影響を与える症状を改善できるかもしれません。

専門の知識がないと、自分に合う漢方薬を選ぶことは難しいです。花粉症の症状でお悩みの方は、ぜひ薬局にご相談ください!

 

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