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「熱中症」にご注意を!
中医学での熱中症とは?

こんにちは、薬局ぽっぽの大平です。

前回までは現代医学的な視点で熱中症についてお話ししてきました。今回は少し見方を変えて、中医学的な視点から熱中症について考えてみたいと思います!

中国より熱中症になりやすい日本!

熱中症は、体内の水分がなくなっている状態をいいます。

体内の水分がなくなると、体内にこもった熱を放出することができず、異常な高体温になり細胞が働かなくなってしまうなどの症状を引き起こします。夏場の暑いときなど、汗をかいたり、水分補給が十分でないことが原因で起こりやすくなります。

中医学の起源である中国ですが、日本は湿度・温度の両方が高く、熱中症になりやすい環境にあります。

中華料理は辛い料理のイメージがあると思いますが、中国が日本より寒いため、体を温めるために辛い料理を食べる習慣があることが一因です。日本では、お寿司のような生魚や日本酒など、体を冷やす料理が多くありますね。それぞれ理にかなった食生活なのです。

「陰」も「気」も消耗する熱中症

中医学の視点からみた熱中症は、汗をかいていて体から水分がなくなっている=陰(いん)がなくなっている状態で、陰虚(いんきょ)ともいいます。

また汗をかくと、陰と同時にも消耗しています。気を消耗している状態のことを気虚といいます。

中医学の言葉では、熱中症の状態を「中暑(ちゅうしょ)」といいます。中暑は「陽暑」と「陰暑」の2種類に分類することができます。

陽暑 陰暑
風通しが悪く、高温多湿の環境下で
長時間活動しているときに発症
体内に熱がこもっているけれども汗が出ず、
倦怠感や頭痛などの症状が起きる状態

どちらも一般的な熱中症の状態を指していることが分かりますね。

治療にはどんな漢方薬を使う?

中医学で熱中症を治療するときには、気と陰の両方を補う漢方薬を使います。

気を補う漢方薬=補気薬として有名なのが「補中益気湯」です。でも、補中益気湯のような一般的な補気薬は熱中症の治療には向いていません。「陰」を補うことができないからです。

気を補っても陰を補わないと、体内にある余分な熱を冷ます働きができないため、症状は改善しません。熱中症の辛い状態が続いてしまいます。熱中症の治療には、気と陰の両方を補う漢方薬が適しているのです。

中医学的な治療とは違いますが、漢方薬による治療とあわせて経口補水液の補給を行うことも大切です。経口補水液で急性の症状を改善し、漢方薬で熱中症の原因となった状態を改善するというイメージです。

今年の夏もかなり暑くなるようですね! 本格的な暑さを迎える前に、熱中症対策をたてておきましょう。現代医学と中医学の両方で対策を練っておけば、より安心して過ごせると思います。

熱中症に効果のある漢方について興味がありましたら、ぜひ当薬局でご相談ください!

 

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