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新型コロナウイルス
感染拡大防止のために今やるべきこととは ― その4

こんにちは、薬局ぽっぽの大平です。

前回は科学的根拠のある予防法としてアルコール消毒、石鹸による手洗い、次亜塩素酸ナトリウム液による消毒を紹介しました。

今回は、すぐに実践できる身近な予防法についてお話しします。

コロナ禍で見直される「養生」

だれもが意識して行うことができる予防法として、昔ながらの「養生」があります。養生とは「本来のあるべき姿でいられるよう保護すること」で、生活に留意して健康の増進を図ることを指します。

「昔ながらの養生」となると「科学的根拠にかけるのではないか?」というツッコミもありそうですね。でも、最近になって「養生は理にかなっている」と見直されてきていますので、ご紹介したいと思います。

養生として挙げられる項目は次の4つがあります。

〇日々の健康管理

〇食べすぎや栄養バランスの偏った食事を避ける

〇適度な運動を行う

〇睡眠をしっかりとる

「邪気」の侵入を防ぐ「衛気」を不足させない!

健康であれば風邪をひきにくいですよね。それと同じで、感染症予防においても「健康のことを意識しながら生活を送ること」が大切です。

中医学(漢方)的なお話しをすると、人体を構成し生命活動を維持するのに必要な物質には「気・血・水」があります。

そのうちの「気」は、“体に必要なエネルギー”のようなものを意味します。「気」にはさまざまな働きがあり、そのひとつに体の内に「邪」(病原菌など)が入ってこないようにするバリアーの役割があります。

その「気」のことを「防衛の気」、正式には「衛気(えき)」といいます。衛気には皮膚を強化して邪気の侵入を阻止、病気になる前に防ぐという、いわゆる免疫機能の働きがあります。

運動不足や生活環境の悪化により「気」(衛気)が不足してしまうと邪気が侵入しやすくなり、風邪をひきやすい、疲れやすい、呼吸器系の異常などの体調不良を引き起こしてしまいます。

中国で新型コロナ感染症の治療にあたっている中医師(中医学を専門とする医師)の先生方も、まず予防には「補気」(気を補うこと)が大切であると話されています。

そのためには、栄養バランスのとれた食事、適度な運動、睡眠時間の確保が大事になります。

丼ものよりは定食を―いろいろな栄養素をとりましょう!

食事もまた健康の維持に大切なことです。もちろん、炭水化物、脂質、たんぱく質などバランスよく食事をとることができれば理想的です。

ただ、一人暮らしの方や外出の制限などもあり、なかなか栄養バランスを考えた食事をすることが大変という場合も多いですね。そんなときは、なるべく丼物やラーメンなどの一品物を避けて、定食やおかずが多いものを選ぶことがオススメです。

食べるものの種類が増えることで、栄養バランスの偏りを避けることができます。

 

1日15~30分程度が目安、家の中でも運動を!

前々回でお話ししたように、ウイルスの感染が起こるタイミングは人と人が接触するときです。

人と話さないようにしていれば、散歩したりランニングしたりする分には問題になりません。体を動かすことは気分転換にもなりますので、1日15~30分程度を目安に運動すると効果的です。

また、YouTubeなどで家の中でできる運動の動画がたくさんアップロードされています。いろいろ探してみて無理なく、楽しく実践できそうな動画があればぜひ挑戦してみてください。

栄養を運び、体の機能を維持する睡眠

睡眠時間を確保することもとても大切です。睡眠がしっかりとれていることで、食事で摂取した栄養を体の隅々まで運び、機能の維持や修復、体温の調節、免疫系の働きの維持などを行うことができます。

夕食の食べ過ぎや運動不足は、体が休めずに睡眠不足にもつながるので注意が必要です。

健康について考える機会に

感染症の予防には、規則正しい生活を送り、日々健康で過ごす「養生」が大切です。

また、日常生活では、人との距離を適切に保つこと、手洗いなどの消毒などを徹底することも心がけましょう。

大変な時期だからこそ、自身や家族の健康について考える機会にできればと思います。

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