腸 活

「腸」を知る(後編)
あますことなく、カスッカスまで吸収

 

こんにちは。薬局ぽっぽの大平です。

前回は「腸」についてお話しました。今回は少し難しい内容になりますが、食事と腸のお話しをしたいと思います。

栄養を吸収するのは「腸」
胃も一生懸命アシストします!

お肉や野菜などの食べ物は口から入ると食道を通り、胃に収まります。お腹がいっぱいになったときに膨れているのは主に胃の部分です。

胃に収まった食べ物はペプシンなどの消化酵素や胃酸により殺菌や消化を受け、消化された食べ物は少しずつ腸へと送られます。

栄養の吸収は主に腸で行われます。もし胃から一気に食べ物を送ってしまうと、腸の機能がダウンしてしまう可能性があります。なぜ腸の機能がダウンしてしまうのか、工場での作業をイメージすると分かりやすいかもしれません。

作業する人(消化酵素など)の能力以上に物品(食べ物)が運ばれてくると作業が追い付かずに無休で働き続けなければなりません。しかし、人も体の機能もずっと働き続けることは不可能ですし、やがて限界を迎えます。

そうなると作業をする人が疲弊して工場の機能はストップ(腸では消化不良など)してしまいます。そうならないように、食べ物は少しずつ胃から小腸へと送られるのです。

 

「24時間営業」の消化器官
元気のポイントは日常のケア

小腸のうち胃とつながっているのは十二指腸です。十二指腸では食べ物はさらに細かく分解されてゆっくりと体の奥へと送られていきます。

たいていの場合、食べ物に含まれる栄養素と水は小腸を通り抜けるまでに体内へと吸収されます。

しかし、消化されずに小腸を通り過ぎて大腸までたどり着くものもあります。これらは基本的には栄養素が取り除かれた「残りかす」です。

ただ、その残りかすにはまだ水分が多く含まれており、そのまま体の外に出してしまうとせっかく食事で摂った水分を十分に利用しきることができず無駄になってしまいます。

そのため小腸で吸収しきれずに残った水分は結腸(横行結腸)で電解質と一緒に吸収されます。

結腸で水分すらも取り除かれた残りかすは、さらに体の奥へと進んでいきます。

出口近くのS字結腸まで到達するとすぐに体の外へと出されるわけではありません。

S字結腸で一時的に溜められて、それが一定量を超えると便意として情報が脳に伝わります。

脳から体の外に出す準備ができたことが大腸に伝わると残りかすは直腸を通り、体の外へと排泄されます。これが便です。

おおざっぱにいうと、小腸では栄養と水分の吸収、大腸では水分の吸収と便の形成が行われています。

体の中では寝ている時や活動している時など24時間絶え間なくこの作業が行われていることで私たちは日々元気に生活することができるのです。

体、そして腸に元気がないとこの消化管の働きに乱れが生じてきます。そうならないように日常からケアしていくのが腸活の大事なポイントになります。

今回は食事と腸について概要をお話ししました。次回は小腸ではどのように栄養が吸収されるのかもう少し細かくお話しします。

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