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めざせ!「お家ダイエット」
「腸活」基礎知識~腸の免疫機能 ― 後編

こんにちは、薬局ぽっぽの大平です。

腸のはたらきをよくすることでカラダ全体の調子をととのえる「腸活」。健康的な「お家ダイエット」を成功させるには「腸活」が大切です。

腸の絨毛の話(絨毛のヒミツ ― その1その2その3)のなかでも少し触れたのですが、腸は免疫システムにも大きく関わっています。

今回は、前回に続いて「腸の免疫機能」についてのお話です!

何重にも仕掛けられた防御システム

前回お話ししたとおり、腸管で働くいろいろな細胞が、栄養の吸収とともに免疫機能(=防御システム)にも関わっています。

では、腸のなかでどんなふうに「防御システム」が作動しているのでしょうか?

1. 立ちはだかる「粘液」の層

異物が体内に侵入しようとするとき、小腸の壁に細かな突起「絨毛」を通過する必要があります。

正常なヒトの腸内では、絨毛は粘液の層のなかに存在しています。ちょうど海のなかに藻がある、みたいな感じでしょうか。

異物は、通過する前に粘液の層に飛び込む必要がありますが、正常な状態であれば粘液の層は厚く、また流れもあるので、簡単に絨毛にはたどり着けないようになっています。

2. “トカゲのしっぽ切り”で絨毛が応戦

また、絨毛自身も異物に対する防御機構を備えています。

絨毛細胞は、1~数日で剥がれ落ちる新陳代謝の早い組織です。異物が体内に侵入しようとしても、絨毛にくっついた瞬間に、異物ごと粘液層へと剥がれ落ちてしまいます。

まるで「トカゲのしっぽ切り」のように、自ら剥がれ落ちることで異物が体内に侵入することを防ぐのです。

通常は剥がれ落ちても新しい絨毛細胞がすぐに生まれてくるので、長時間穴が空いたような状態にはなりません。

3. 攻撃&食べてしまう免疫細胞たち

前回もお話ししましたが、“腸には免疫細胞の7割が集まっている”といわれています。異物が侵入しようとすると、腸に駐在している免疫細胞たちが攻撃します。市民を守る警察官の役目ですね。

腸の免疫に関わる「M細胞」が異物をつかまえると、それを腸の内側へと取り込みます。腸の内側で待ち構えているのは「マクロファージ」や「樹状細胞」など免疫の働きをもつ細胞たち。これらが異物を食べてやっつけてしまいます。

この異物を食べてやっつける働きを、「貪食(どんしょく)作用」といいます

 

腸を突破して体内に侵入! 緊急指令で「抗体」をつくる!

ヒトの体のなかに異物が侵入しないよう守っているのは、腸の防御システム(免疫機能)です。

でも、体調が悪かったり、異物の数が多すぎたりするとき、その防御システムが破られてしまうこともあります。

万が一、異物が腸を突破して体内に侵入してしまった場合、免疫細胞はその異物の情報を体内に伝えて、迅速に対処できるよう促します。

免疫学的には、異物のことを「抗原」、異物をやっつけるための“目印になるタンパク質”を「抗体」といいます。

「抗体」の働きには、“目印になる役割”以外にもさまざまなものがあります

腸は、毎日を健康に過ごすための“一大防御システム”です。システムが正常に働くには、絨毛の栄養源であるグルタミンや食物繊維など、普段から腸を意識した食事をとることが大切です!

健康的なダイエットのためにも「腸活」で元気な腸を目指しましょう!

 

 

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