漢方のお悩み

花粉症と漢方薬-3

こんにちは、薬局ぽっぽの大平です。

まだまだ寒いですが、今年も立春を迎えました。春といえば花粉・・・ ということで、引き続き花粉症のお話です。

今回は花粉症のなかでも、鼻以外の症状について、現代医学と中医学、両方の視点でお話しします!

つら~い目や皮膚のかゆみ・・・

花粉症の症状のひとつに目や皮膚のかゆみがあります。とくに目のかゆみといえば、薬のCMなどでもよく見かける花粉症の代表的な症状ですね。

目がかゆいと、何をしていても集中できなくなってしまいますし、目をかきすぎると眼球に傷がついて、ゴロゴロした違和感が出てしまうこともあります。

現代医学では“アレルギー反応”

現代医学でみると、目や皮膚のかゆみは、他の症状と同じくヒスタミンによるアレルギー反応で引き起こされます。花粉を異物として認識し、排除するための防衛機能が過剰になってしまったものがアレルギー反応です。

アレルギー反応が起き、反応で生成されたヒスタミンがかゆみを誘発してしまうのです。

症状を改善するために、飲み薬のほか、目のかゆみには抗アレルギー作用のある目薬、皮膚のかゆみの場合にはステロイドの塗り薬を使うことがあります。

中医学では「熱」が原因

中医学の視点では、目や皮膚のかゆみではその部位が赤くなるなどの炎症反応が起こっているため、炎症、イコール熱の症状が生じていると考えます。

前回までの鼻の症状は「冷え」によって起こると考えましたが、今回のかゆみに関しては「」で起こっているのです。

かゆみを抑えるためには、炎症反応による過剰な熱を冷ます漢方薬を使うことがあります。

「冷え」と「熱」の症状が同時に現れたら・・・?

ところで、花粉症では目のかゆみと鼻水がたれてくるという両方の症状が同時に現れることもありますね。本当にイヤですね・・・

現代医学では、両方ともアレルギー反応によるものと考えられていますから、抗アレルギー薬を使うケースが多いのですが、漢方薬の治療ではどのように考えるのでしょうか。

前回お話したように、鼻水がたれてくるのは「冷え」ですが、目のかゆみは「熱」です。こんなふうに熱と冷えの両方がある場合、中医学では2つの対処法があります。

両方の作用のある漢方薬

ひとつは“両方の作用のある漢方薬”を使うことです。

熱を冷ます作用のある漢方薬、または冷えを温める漢方薬のどちらかだけを使ってしまうと熱、もしくは冷えの症状が悪化してしまいます。

そうならないように、両方の作用の漢方薬を使うことで、局所にだけ効果を発揮させて、体全体ではバランスを保つという方法があります。

熱も冷えにも影響しない漢方薬

もうひとつの方法は、熱を冷ます作用も冷えを温める作用もない“どちらにも影響しない漢方薬”を使うことです。

漢方薬は生薬の組み合わせで作られる薬です。生薬ひとつひとつに体を温める作用や冷やす作用、そのどちらでもないものなど、さまざまな働きがあります。

漢方薬のバランスを取るために、温める作用のある生薬冷やす作用のある生薬を組み合わせることで、両方の性質が相殺されて温めも冷やしもしない漢方薬を作ることもできます。

漢方薬は、使い方によっては体を過剰に温めたり、冷やしたりしないで目的の症状を改善することも可能になるのです。

漢方で“眠くならない治療”も!

花粉症の治療で用いる漢方薬には「眠くならない」という大きな特長があります。職場や学校など、いろいろな生活があるなかで「眠くなりにくい治療をしたい!」という方も多いと思います。

そんなときには漢方薬がひとつの選択肢となるでしょう。興味がある方はぜひ薬局にご相談ください!

 

あわせて読みたい記事

花粉症と漢方-1
花粉症と漢方-2

コメントを残す

*