漢方のお悩み

花粉症と漢方薬-2

こんにちは、薬局ぽっぽの大平です。

前回に引き続き、花粉症のお話です!

前回は花粉症のいや~な症状のこと、また、“たれてくる鼻水”について、現代医学と中医学の両方の視点からみた原因や対処法をお話ししました。今回のテーマは“鼻づまり”です!

現代医学では「ロイコトリエン」が鼻の穴を狭くする?!

現代医学からみると、鼻がつまるという症状も、鼻水がたれるとの同じアレルギー反応のひとつです。

前回、花粉が体内に侵入したときに過剰に分泌されるヒスタミンが鼻水の原因になっているとお話しましたが、アレルギー症状を引き起こすのはヒスタミンだけではありません。

鼻がつまる症状では、ヒスタミンのほかにロイコトリエンという物質が関係していると考えられています。

鼻の血管にはロイコトリエン受容体という、ロイコトリエンが結合する部位があります。鼻の血管にロイコトリエンが多く集まると浮腫みが起きて、鼻の穴が狭くなります。

鼻の穴が狭くなると空気の通り道がなくなってしまうので、鼻づまりが起こるのです。

現代医学の治療では、鼻がつまる症状がある際には、ロイコトリエン受容体の拮抗薬を使うことがあります。

ロイコトリエン受容体の拮抗薬とは、ロイコトリエンが受容体に結合するのを邪魔する働きがある薬をいいます

中医学での原因は「冷え」と「熱」

中医学では、鼻がつまっている状態は、おもに「冷えと熱」の2つに分類することができます。

ひとつ目は「冷え」は、これは前回(花粉症と漢方-1)でお話しした“鼻水がたれてくるタイプ”と同じですね。鼻水がたれてくるうえに、鼻がつまる症状も出てきて二重に苦しくなる人がいるのは、どちらも冷えが原因となっているからです。

そのため、中医学では、水がたれてくるケースと鼻づまりのケースで同じ漢方薬で対処する場合もあります。現代医学では違う薬を使うことが多いのですが、これは、現代医学と中医学では症状の原因に対する考え方が異なるためです。

もうひとつ、冷えとは真逆ですが、「熱」が原因で鼻詰まりが起こる場合もあります。そんなときは、熱を冷ます漢方薬を使って症状を改善します。

「冷えか熱か」の判断はほかの症状で!

でも、鼻がつまる症状だけでは、その原因が「冷え」なのか、「熱」なのかはわかりません。

もし「冷え」が原因で鼻づまりが起きているのに、「熱」で鼻づまりが起きていると判断して、熱を冷ます漢方薬を使ってしまうとどうなるでしょうか。さらに体が冷え、鼻づまりの症状がさらに悪化してしまうことが考えられますね。

原因が冷えか熱か……? その判断の方法は、鼻づまり以外の症状を確認することです。

たとえば、さらさらとした鼻水がたれてくる場合には「冷え」が原因と考えます。逆に、粘り気があったり、黄色い色をしている場合は「熱」が原因と考えます。

このように同じ症状でも中医学では別の漢方薬を使うことがあります。

漢方薬の服用は薬局に相談を!

漢方薬は、ひとつの症状だけで判断して飲んでしまうと、症状が良くなるどころか悪化してしまう可能性があります。

そんな失敗をしないためにも、漢方薬を試してみたい方はぜひ一度薬局にご相談ください!

次回は、花粉症が引き起こす「目のかゆみ」やほかの症状について、現代医学と中医学の視点からお話ししたいと思います!

 

コメントを残す

*