こんにちは、薬局ぽっぽの大平です。
蒸し暑い日が続いていますね! 少し歩くだけでも汗がにじんで、外出も苦痛になります……
暑さに加えて感染症の問題もありますし、この夏も外出を控える方も多いと思います。家のなかにいることが増えると、体を動かさないのについつい食べ過ぎてしまい、気が付いたら体重が増えていた! なんてことも……
「そうだ! 外に出られないときこそダイエットをしよう!」と思われる方もいるのではないでしょうか。今回は、“夏場のダイエット”についてお話したいと思います!
夏は代謝が上がりません!!
「汗をかくことで代謝が良いはずだし、夏はダイエットに向いている季節だ」と思われるかもしれませんね。でも、実は夏場に代謝が良くなるということはありません。
四季のなかで代謝が上がるのは冬場です。気温が低いとき、体温を維持するためにヒトの体は代謝を上げるのです。夏は放っておいても体温が上がるくらいなので、代謝はそこまで上がりません。
では、夏場のダイエットは向いていないのでしょうか?
結論からいうと、独学での夏場のダイエットは止めた方がよいでしょう。
もともとダイエットを独学で行うことはあまりオススメしていないのですが、とくに夏場は、健康面で良くないことが起こる可能性があるのです。
熱中症とダイエットとの関係とは!?
ご存知だと思いますが、夏の暑い時期、日常生活でとくに注意が必要なことといえば「熱中症」です。
気温や湿度が高いため、汗をかくなど体温を下げる機能が低下してしまいます。そうなると、体温が上がり続け、タンパク質でできている細胞や臓器が変性を起こし障害を受けてしまいます。
夏、とくに8月は、毎日1000人単位の人が熱中症で搬送されています。誰にでもなる可能性がある病気です。
この熱中症との関係が、夏場のダイエットが向いていない理由のひとつなのです。
ダイエットのミカタ「タンパク質」、でも熱中症には☒!
以前の記事(「熱中症」にご注意を! 飲んではイケナイ飲み物とは…?)でもお話ししましたが、熱中症のときに摂取しない方がよいもののひとつに「タンパク質」があります。
日本人の食事では不足がちといわれるタンパク質は、ダイエット成功のために重要となる成分ひとつです。でも、そのタンパク質が熱中症では避けた方が良い成分になってしまうのです。
タンパク質は、消化・吸収されるとその過程で熱産生が起きます。熱中症で体温が上がっているときに、タンパク質を多く摂取してしまうと熱産生が起き、さらに体温が上がりやすくなります。
体温が上がってしまうことで、熱中症の症状が悪化する恐れがあるのです。
ダイエット指導には、医療知識が重要です!!
最初にもお伝えしましたが、ダイエットを独学で行うことはあまりオススメしません。
体に異変があったとき、医療に詳しい人がついていないと、初期対応が分からずに体調を崩してしまうことがあるかもしれません。
さらに、体調が悪化した場合、その原因がダイエットの食事内容が良くなくて起こっているのか、持病や別の原因があって起こっているのか、判断がつかないケースもあります。
私も実際に、一般の人の指導を受けてダイエットをはじめた方が、持病を悪化させている方を見たこともあります。健康のためにはじめたダイエットなのに、健康を害するようなことがあってはいけません。
薬局でダイエットのアドバイスを行っているのは、健康の維持、将来的な健康のために正しいことを伝えていくためです。
ダイエットを始めようとするとき、不安なことがあったら、ぜひ当局でご相談ください!