ダイエット

「断食ダイエット」って、あり? なし?-2

前回に続いて、テーマは「断食」です。

今回は、“体の機能”の視点から「断食ダイエット」についてお話しします。

前回、断食ダイエットには向いている人向いていない人がいる、とお話しました。それは体の機能が大きく関わっているのです。

体を構成しているのはおもに3つ

体を構成する成分は、大きく分けると筋肉・脂肪・水分になります。

微量な成分としては、ビタミンや酵素、ミネラルなどがあります

この筋肉や脂肪、水分は、日々の食事や運動などで増えたり減ったりしています。筋肉と脂肪のバランスは、食事の偏りが原因で変わってしまうこともあります。

筋肉や脂肪の状態は、体組成計で測定することができます

脂肪は預金、筋肉は財布!

脂肪と筋肉”は“銀行預金と財布”の関係に例えることができます。

例えば何かを購入して現金で支払いをするとき、財布(=筋肉)からはすぐにお金を出すことができます。でも、手持ちがなくて、それでも現金が必要だったら、一度銀行に行って預金(=脂肪)をおろしてこなければなりません。ちょっと手間がかかりますよね。

では、なぜそうなっているのでしょうか……?

長い歴史の中で、ヒトはいつでも自由に好きなだけ食事がとれる状況にはありませんでした。飢饉や干ばつ、気象変動、災害等々…… 人類の歴史は飢餓との戦いでもありました。

そのため、“脂肪”はエネルギーの貯蔵場所となっています。飢餓状態になったときでも、なるべく長く命を守るために、脂肪は落ちにくくなっているのです。

それに比べて、筋肉はつきやすく、落ちやすいという特徴があります。

食べられない時間が長くなると、必要なエネルギーが不足します。だんだんと臓器や細胞は正常に働かなくなり、体温の維持やホルモンバランスなど、多くのことに異常がでてきます。

そうならないよう、ヒトの体、飢餓状態になったとき、体の機能を維持するために、まずはじめに筋肉を分解してエネルギー源とするようできているのです。

筋肉は落ちやすいので、常にたんぱく質を摂りながら筋トレをするのが、筋肉をつけたいときには効果的です

断食したのに太る? 飢餓に備える脳

体の構成には、食事はとても大きくかかわっています

「断食」とは、文字通り食事を抜くことです。「絶食」ということもあります。食事を抜くことで余分なものを体に入れず、デトックス効果を期待するものです。

期間はそのときにより異なりますが、2~3日行うことが一般的です。そのあと普段の食事へと戻していきますが、ここで注意点があります。

断食が終わったばかりのときは体は飢餓状態になっています。飢餓状態では、体の機能を維持するためのエネルギーが不足しています。エネルギー源となる食事を今か今かと欲している状態なのです。

ここで普段の食事をとってしまうと、どうなるのでしょうか?

ヒトの脳は賢いので、「また飢餓状態になるかもしれない」と考えます。その結果、予防策として脂肪(=預金)としてため込もうとします。

そこに、断食をして痩せようとしているのに太ってしまうリスクがあるのです。

では、断食をして痩せるためにはどのようなことに気を付けたら良いのでしょう? このつづきは次回お話しします。

 

 

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