漢方のお悩み

暑さも一因? 夏の「めまい」

こんにちは、薬局ぽっぽの大平です。

先日、突然ある症状に見舞われました。少しつらい思いをしたのですが、意外と多くの方が経験されている症状だと思いますので、今回は、その経験談をブログに書くことにします。

突然のめまい・・・!

猛暑日が終わろうとした8月の下旬の朝のことでした。

目が覚めたとき「何か体調が良くないな」と思ったのですが、仕事があるので無理やり上半身を起こそうとしました。

そのときです。ここ数年感じたことがないほど、強いめまいを感じました。立ち上がるのも大変なくらいです。胃のあたりが張っている感じもあり、気持ち悪さもありました。

落ち着いて考えてみると、発熱や鼻水、喉の痛み、咳もないので、感染症の類ではありません。症状からみて、脳疾患など急を要するものではなさそうです。では、原因は何なのでしょう?

普段、当薬局では漢方相談などを行っています。つらくはあったのですが、この機会に自分の体調を漢方医学の視点で考えてみることにしました。

猛暑でめまいが起きる?!

自覚する症状や状況から考えて、今回の私のめまいの原因は、体内の水の流れが悪くなったことではないかと思いました。(めまいの原因にはさまざまあります)

暑い日が続くと、熱中症を予防するために冷房を使ったり、体を冷やすために冷たい飲み物や食べ物を摂る機会が増えますね。もちろん、一時的であればあまり問題はないのですが、長く続けていると冷えが体を襲い、体内の「」の働きを弱めてしまうのです。

脾は、胃と協力して食べ物の消化吸収を担い、体内の水の流れの調節などの働きをしていると考えられています。その働きが悪くなると、消化吸収がうまく行われず、エネルギー源となる「気」が作られにくくなったり、水の流れが滞って、さまざまな症状を引き起こすことがあります。

めまいは「脾」のダメージから!

脾の働きが悪くなって引き起こされる症状の一つに、めまいがあります。

水の流れが悪くなったり、気が不足することで、ヒトの体はめまいを感じることがあります。脾は水の流れと気を作ることの両方に関わっているので、脾の働きが悪くなると症状が出やすくなるのです。

そのため、私のめまいや吐き気の症状は、冷房や冷たい飲食物による冷えが脾にダメージを与えることで起こったと考えました。

では、どう治療したら良いのでしょうか?

漢方で2方面へアプローチ!

今回、私が改善したい症状はめまいです。

治療法としては、めまいの症状自体にアプローチをすること、それとともに、めまいを起こすに至った大元の脾にもアプローチをすることの2つが挙げられます。

めまいを改善する

めまいの症状は水の流れが悪くなっていることで起こっています。このようなときに用いるのが水の流れを良くする(湿を取り除く)漢方薬、利湿薬です。

脾の働きを助ける

根本治療として、脾の働きを助ける漢方薬は大切です。今回はとくに脾の気が不足している脾気虚の状態なので、補気薬を服用しました。

養生の対策も大切

早く症状を改善するためには、漢方薬による治療のほか、養生についても対策を立てる必要があります。

今回、めまいの症状が起きた背景には体が過剰に冷えたことがあります。

熱中症を予防するためにも冷房は必要ですが、冷たい飲食物の過食を避けること、なるべく冷房の風に当たらないようにすること、脾に負担をかけないため消化の良いものを食べることなど行うことも治療を行うために重要です。

このような治療を行ったところ、めまいの症状は2日程度で落ち着きました。

気になる症状があればご相談を

今回は、私自身が経験した症状についてお話ししました。

ここ数年、夏場はかなり気温が高い日が多くなり、熱中症だけでなく、いろいろな面で体調を崩しやすくなっているように思います。

気になる症状や不安なことがありましたら、ぜひ薬局にご相談ください!

 

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