漢方のお悩み

お悩み改善! 冬に増える「不眠症」-2

こんにちは、薬局ぽっぽの大平です。

今年の冬は寒いですね! 昨日は東京も久しぶりの大雪でした!

そんな寒い時期に相談が増えるのが「不眠症」です。前回は現代医学での考え方についてお話ししましたが、今回は中医学の視点からお話ししたいと思います。

不眠症は体内の異常で現れる?

現代医学では不眠症を入眠困難や中途覚醒など、症状別で分類していました。中医学では、何かしらの原因によって体内に異常が起こり、現れる症状の一つに不眠症があると考えています。

中医学で考える不眠症の原因として2つの例を紹介します。

いろいろ考えて眠れない

いろいろと考えてしまい眠れなくなるのは、気血両虚(きけつりょうきょ)タイプです。気血両虚とは、「気」「と血」の両方が不足していることをいいます。

気は体のエネルギーとして働く物質で、血は体に栄養を与える物質です。血は特に心(しん)という臓が関与していて、血が不足すると心に不調をきたします。心は心(こころ)の安定につながっているので、思い悩むような状態になって眠れなくなってしまうのです。

また、このタイプの方では、不眠のほか貧血気味や冷え性などの症状も一緒に現れることがあります。気血両虚タイプは、気と血の両方を補う漢方薬を使って症状を改善します。

火照って眠れない

火照ってしまい眠れないタイプは、陰虚(いんきょ)タイプといいます。陰虚とは、陰液が虚(不足)している状態をいいます。

陰液は、気・血と同様に体に必要な物質で、血以外の液体(水分)を指します。体を潤したり、熱を持ち過ぎた部分を冷ましたりとさまざまな働きがあります。

とくに「肝」と「腎」で陰が不足して、体内にある余分な熱を冷やすことができずに火照って眠れないという症状が起きることがあります。相談に来るご本人も意外と自覚していないこともあるのですが、“上半身が火照るのに足は冷える”というケースもあります。

陰虚の場合には、陰液を補う漢方薬を使うことで症状の改善が期待できます。

睡眠薬の補助としても使える漢方薬

現代医学の治療で服用する睡眠薬と大きく異なる特長として、漢方薬には眠くなるような成分は含まれていません。

車の運転や高所での仕事など、睡眠薬を飲むことを避けた方が良い場合には漢方薬を中心に対応する方法をオススメしています。

また、「睡眠薬を飲んでいるけれど、飲むことを止めたい」という方もいます。その場合にも、補助的に漢方薬を使い、少しずつ睡眠薬の量を減らしていく、という方法も選択肢の一つになります。

ただ、絶対に自己判断で睡眠薬を減らしたり、やめたりしてはいけません。必ず担当の医師と相談をしながら減らすようにしてください。

迷ったらぜひ漢方相談を!

コロナ禍で生活環境が変わり、睡眠の質が悪化された方が増えました。ストレスや食生活の悪化など、原因はさまざまです。

原因となる状態にアプローチして不眠症の改善を図るのが漢方薬です。なかなかよく眠れないと感じている方、睡眠薬を使うのが怖い方など、ぜひ薬局にご相談ください!

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