漢方のお悩み

長引くつらい咳…… 症状にあった漢方薬を!

こんにちは、薬局ぽっぽの大平です。

暑い日が終わったと思ったら、急に冬のような寒い日がやってきていますね。

8月の終わり頃から、新型コロナウイルスだけではなく、インフルエンザウイルスに感染する人も急激に増えてきています。11月に入っても治療薬をもらいに薬局に来る方が絶えません。簡単には収束しそうにないですね。

また、新型コロナとインフルエンザの検査でどちらも陰性ではあったけれど、微熱や咳などの症状が続いて悩んでいる人も多いようで、薬局に相談来られる方も増えています。

咳にも処方される「麦門冬湯」とは

先日、咳の症状で薬局に来局された方から、「咳には麦門冬湯(ばくもんどうとう)が良いと聞いたけれど、使ってもいいのでしょうか?」と質問を受けました。

麦門冬湯は咳の症状にも使用することがあります。そのことを知っているのは、比較的漢方薬に詳しい方です。

実際、耳鼻咽喉科を中心に、咳の症状で麦門冬湯を処方されるケースはよくあります。通常の咳止めが効かない場合の次の一手として選ばれることが多いように感じます。

ただ、麦門冬湯はすべての咳に適しているというわけではありません。

麦門冬湯は咳のタイプによって効果が異なるため、それを見極めずに、咳だからといって服用しても、症状が和らぐところかむしろ悪化してしまう可能性もあります。

咳のタイプによって治療薬が変わる

では咳のタイプはどのようなものがあるのでしょうか?

中医学では、咳を痰が絡む咳乾いた咳の2つに分類することができます。(実際にはそれ以外に熱や冷えが関わる咳もあるのですが、今回は分かりやすく説明するため大きく2つに分けます)

痰が絡む咳の場合

痰が絡む咳の原因には、水の流れが関係していると考えられています。

体内の水の流れに滞りが生じている場合や水が過剰に体内に留まっている状態のとき、必要な部位に水が流れず、肺の機能を悪化させ咳として症状が出るのです。

このタイプの治療では、水の流れを良くすることを目的とした漢方薬を用います。

乾いた咳の場合

一方、乾いた咳は、熱や水不足が原因と考えられています。

体内に熱がこもっていたり水が不足することで、熱の邪気や水不足による乾燥状態が肺を襲い、咳症状が出てしまいます。

このタイプでは、体内にこもっている熱を冷ましたり、不足している水分を補うような漢方薬を用いて治療します。

漢方薬治療にはタイプの見極めが大切!

咳の治療を行う際に、咳のタイプの見極めをせずに漢方薬を用いてしまうと症状が悪化してしまう可能性があります。

例えば、麦門冬湯は水を補う働きがあるので乾いた咳が出るときに使用します。もし、痰がからむ咳のときに麦門冬湯を服用したらどうなるでしょうか。

痰が絡む咳では、体内の水の流れに滞りが生じています。麦門冬湯で水をさらに補ってしまうと、水分が過剰になり、痰の量が増えて咳症状が全く改善しない、もしくは状態が悪化してしまうリスクがあります。

咳のお悩みはぜひ薬局へ!

「麦門冬湯を飲んでいるけれど、咳の症状が改善しない」という場合は、咳のタイプが合っていないのかもしれません。

長引く咳でお悩みの方、また、麦門冬湯を飲んでも効果が得られないという方は、ぜひ一度薬局にご相談ください!

 

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