こんにちは、薬局ぽっぽの大平です。
お盆も過ぎて9月に入り、少しずつではありますが、夜風が涼しくなってきました。ただ、昼間の暑さは相変わらずで、外を歩こうとするとすぐに汗がダラダラと流れてきます。
みなさんも、熱中症を予防するために、室内にいるときには冷房を入れたり、水分やミネラルを補給して何とか夏の暑さを乗り切ろうとしていらっしゃると思います。
つらい暑さも終わるまであと一息…… というところまで来ていますが、この夏の終わりから秋にかけては体調を崩す人が増えてくる時期でもあります。いわゆる季節の変わり目ですね。
では、なぜ季節の変わり目に体調を崩す人が増えてくるのでしょうか……? 今回は、この時期に体調を崩す原因とその対応についてお話しします。
夏の暑さは気を消耗する!
夏の時期は気温が高く、汗を大量にかく機会が増えます。
前回のブログでも説明したのですが、汗をかくと、水分と一緒に「気」も体から出て行ってしまいます。大量に汗をかけば、気も大量に失ってしまうのです。
「気」は体の機能を維持するためのエネルギー源です。そのエネルギー源が無くなってしまうと、元気や活力が低下しますし、疲れやすくなったり、不眠気味になるなど様々な症状を引き起こします。
夏の夜といえば、寝苦しことがつらいですね。暑さに加え、汗をかいてしまうことで寝るために必要な気を消耗していることも寝苦しさの要因になっているのです。
また、夏場は日差しも強いです。強い太陽光(熱)を浴び続けると、熱邪が体内へと入り込み、熱がこもりやすくなってしまいます。
夏場は、汗をかいてエネルギー(気)を失い、強い日差しを浴びて体内に熱がこもりやすくなるため、熱中症になりやすい環境になっています。
さらにその状況が、今年のような猛暑では1か月以上続いています。夏のはじめには問題がなくても、秋を迎えるころには体が限界を迎えて、調子を崩すケースが多くなってしまうのです。
水分をとっていれば大丈夫、というわけでもない?
では、夏の終わりに体調を崩さないためには、どんな対策をしたらよいのでしょうか?
ひとつは、体内に熱がこもることがないように、なるべく日中の猛暑の時間帯の外出を控えること。屋内でも気温が高い日には冷房を入れることです。
もうひとつ重要なのは水分補給です。でも、水分を積極的にとっていれば大丈夫、というわけでもありません。
たとえば、長時間猛暑にさらされるなどで体の中にすでに熱邪がある場合、熱が水の流れを滞らせてしまい、水を飲んでも水分が体の中をうまく循環してくれない可能性があります。
本来、「気」には水が体内を循環できるように助ける働きがあるのですが、汗をかいて気を消耗していると、その働きを活かすこともできません。
いくら水分を補給しても、水が体内を循環しなければ、足などの一部に浮腫が出たりしますし、体に熱がこもるのを防ぐことができなくなってしまいます。
そんなときには漢方薬も効果的です。消耗している「気」を補う漢方薬(補気薬)、水の流れを良くする漢方薬、滞っている水(湿)を取り除く漢方薬などで症状の改善を図ります。
夏の終わりの体調不良は、薬局にご相談を!
夏の暑さは9月いっぱい続く可能性もあります。
これからしばらくは、夏の疲れがどっと出る時期です。「食欲が落ちた」「なんとなく元気がでない」「いつもだるい」などの症状がある方は、ぜひ薬局にご相談ください。