こんにちは、薬局ぽっぽの大平です。
最近、漢方相談に来られる方から、お腹の調子が悪いという声をよく聞くようになりました。
比較的若い年齢層に多いのですが、漢方相談の内容はさまざまでも、症状の多くにお腹の不調が関わっているようです。
今回は、お腹の調子が悪いときについてお話したいと思います。
腹の不調は脾(ひ)の不調?
お腹の調子と関わってくる臓器といえば、中医学でいう五臓(肝・心・脾・肺・腎)のうち、主に「脾(ひ)」です。
脾は食べたものの消化吸収や、エネルギー源である気の生成などに関わる臓器です。お腹の不調は、大抵のケースで脾の不調ともいえます。
いろいろな要因で脾が不調になってしまうと、下痢や食欲の低下、元気がなくなるなどの体調不良を引き起こしてしまいます。
コロナ禍もひとつの要因に!
脾の不調にかかわる臓器として「肝」があります。肝は疏泄(そせつ)を主(つかさど)る臓器と言われています。
疏泄とは気の流れを整えたり、気分の調子を維持する働きを指します。
ここ数年、コロナ禍で活環境や仕事の環境が変わり、以前と比べて大きなストレスを感じる方が増えるようになりました。多少のストレスは体の機能が正常に働くために必要なのですが、過度なストレスは害でしかありません。
大きなストレスを受けると、肝が不調になり、疏泄が十分に行えなくなってしまいます。気の流れにも滞りが生じます。
漢方の言葉で、肝脾不和(かんぴふわ)という表現があります。これは肝の働きが不調になると脾にも影響を与えてしまうというものです。
ストレスを抱えることでお腹の調子が悪くなる原因のひとつに、肝脾不和が関わっています。過度なストレスにより肝が不調になることで脾の不調を招き、胃腸の症状(下痢、腹痛など)が現れやすくなるのです。
肝脾不和によりお腹の調子が悪い場合、お腹の症状を軽くする漢方薬を使用しながら、原因となっている肝の疏泄を改善する治療法が主となります。
季節の変わり目は「冷え」にも注意!
そのほか、季節の変わり目のような気温差が激しい時期には、冷えによってお腹の調子が悪くなることもあります。
例えば、冬から春へと変わる今の時期、暖かくなってくると真冬の恰好から春物へと衣替えをしますよね。ところが急に寒さがぶり返す日もあります。そのときに薄着だと体は冷えて、寒邪(かんじゃ)が体内に侵入しやすくなるのです。
寒邪が体内に入ると臓器が冷えで不調になり、本来の働きが行えずにさまざまな不調を招きます。とくに冷えにより水の流れに滞りが生じるので、脾の働きが悪化します。
冷えが原因でお腹の調子が悪くなる場合には、温める漢方薬を使用して治療します。
お腹の不調はぜひ薬局へ!
お腹の不調は、ストレスや冷え以外にも、食べ過ぎや食あたり、熱中症などさまざまな要因で起こります。治療法の選択を間違えると、症状の改善までに時間がかかってしまうこともあります。
「最近お腹の調子が良くないんだけど……」という方は、ぜひ一度薬局にご相談ください!