漢方のお悩み

人によって異なる「不眠症」の漢方薬

こんにちは、薬局ぽっぽの大平です。

みなさんは、漢方薬についてどんなイメージを持っていますか?

漢方薬は、古来からさまざまな症状に用いられている、とても優れたお薬です。効果不十分の漢方薬は歴史の中で淘汰されて、効果のあるものだけが現代でも変わらずに使用されています。

今回は、漢方薬のなかでも「不眠症」についてお話しします。不眠を訴える方はとても多くなっています。

現代医学の薬は作用が同じ?!

ゆっくり寝たいのに、眠れないのはとてもつらいですね。現代医学では、不眠症にどんな薬を使っているのでしょう。

現代医学で眠れるようになるために用いる薬は、比較的作用が同じものが多いです。違いは作用する時間の長さです。

不眠には、①寝入りが良くない、②途中で起きてしまう、③夜明け前に起きてしまうなど、人によって違う症状があります。

たとえば、寝入りが良くない場合、寝入りを良くするために、効き始めが早いけれど効果が無くなるのも早いタイプの睡眠薬を用います。

途中で起きてしまう場合には、効き始めはゆっくりでも、ある程度長く効果が続くタイプの睡眠薬を用いることがあります。

このように、現代医学では、症状に合わせて作用時間の異なる睡眠薬を使うのです。

「気・血・水」に作用する漢方薬

中医学では、体が元気で過ごすことができるために、必要な要素として「気・血・水」があります。

それぞれにさまざまな働きがあるので詳細は省きますが、イメージとして気はエネルギー源、血は栄養を運ぶ働き、水は潤いを与える働きがあります。

この3つが不足したり、体内をうまく流れないと、いろいろな症状を引き起こしてしまいます。そのひとつが不眠です。

中医学では、不眠の症状が起きる原因にも、主に気・血・水が関わっていると考えられています。

不眠の原因としては、体内の水の流れが悪い、気の流れが悪くイライラが強い、気と血が不足していることなどが挙げられます。

漢方薬でも、温胆湯(うんたんとう)や加味逍遥散(かみしょうようさん)、酸棗仁湯(さんそうにんとう)、帰脾湯(きひとう)など不眠の症状の方に使用できるものがあります。

現代医学の睡眠薬との大きな違いは、これらの漢方薬はすべて作用が異なることです。

自己判断で漢方薬を選ぶと失敗も・・・

不眠症に使う漢方薬は作用がそれぞれに異なるので、不眠の原因と漢方薬が合っていなかったら全く効果はありません

不眠の症状が続いて漢方薬を試してみたとしても、原因に合っていなかったら症状は解消されず、「漢方薬は効かない」と思い、中断してしまうことになるかもしれません。

そうなるとお金ももったいないですし、不眠の症状も改善しなくて、つらい時間が続いてしまいます。なにも良いことはないですね。

不眠の原因は人によってさまざまです。不眠症の改善に漢方薬を試してみたい場合には、ぜひ薬局にご相談ください!

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