漢方のお悩み

効能いろいろ!“生薬の人参”

こんにちは、薬局ぽっぽの大平です。

みなさんは、人参は好きですか? いろんな料理に使われる万能野菜ですが、とくに生食だとクセがあるので、好き嫌いが分かれるかもしれません。

漢方薬に多く含まれている生薬のひとつにも「人参」があります。でも実は、普段食べる野菜の人参とは全くの別物なのです。

見た目も味も全く異なるのに、どうして同じ漢字が使われているのでしょう? ちょっと不思議ですよね。

今回は、生薬のほうの「人参」のお話です。

生薬の人参がもともとの「人参」

実は、昔は「人参」と言えば生薬の人参を指していました。

西洋から伝わってきた人参は「胡蘿蔔」といわれていたのですが、茹でると赤くなり、香りが生薬の人参に似ているため、両者とも人参と呼ばれるようになったともいわれています。

生薬の人参には、いくつもの種類があります。たとえば、三七人参(さんしちにんじん)、党参(とうじん)、高麗人参(こうらいにんじん)などなど……

人参の種類の違いで名前が違うのはもちろんですが、それだけではありません。同じ人参でも処置の仕方を変えることでも名前が変わるのです。

高麗人参の皮を剥かずに蒸気で蒸して自然乾燥させたものは、人参ではなく「紅参(こうじん)」と呼ばれます。

多くの漢方薬に含まれる人参、作用もいろいろ!

漢方では人参は重要な生薬として使われています。

たとえば、体調を崩したとき、その原因がヒトの体のエネルギー源である「気」が足りないと判断された場合、気を補う「補気薬」を使います。その補気薬の多くには人参が含まれています。

また同じ「人参」と名前が付いていても、種類によって生薬の働きが異なることもあります。

高麗人参や紅参には気を補う作用がありますが、古代の書物である本草綱目(ほんぞうこうもく)によると、三七人参には血を止める、瘀血を改善する働きがあると記載されています。

不安なときは漢方相談へ!

人参はおもに漢方薬に含まれていますが、単独で健康食品などとして販売されていることもあります。

気になっている体調と健康食品の目的が合っているようなら、試してみるのも良いと思います。ただ、試してみてもあまり症状の改善がない場合、人参だけでは効果を得るには不十分なのかもしれません。

人参の健康食品は高価なものが多いですね。効果がないのにいたずらに継続しても、お金が無駄になってしまいます。

そんなときは、本当に人参だけが合っているのか、もしくは総合的に漢方薬を使った方が良くなるのかを薬局で聞いてみてください。

薬局では、患者さんのお話しを聞きながら最適なものをオススメしています。今ある症状がなかなか良くならないようでしたら、ぜひご相談ください!

 

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