漢方のお悩み

漢方薬は不味くない!!

こんにちは、薬局ぽっぽの大平です。

みなさんは、漢方薬にどんなイメージがありますか?

日頃、漢方相談をしているなかで「漢方薬を試してみたいけど、以前飲んだ漢方薬は苦くて飲みにくかった」「飲みやすい漢方薬があれば教えてほしい」……といった相談を受けることがあります。

相談される方に限らず、多くの方は「漢方薬は不味いもの」というイメージを持っているかもしれません。

でも、漢方薬が不味いというのは、正しい情報ではありません。ではどうして、漢方薬が不味いと考えられているのでしょうか?

今回は、漢方薬の味について、歴史も交えてお話ししたいと思います!

長い時間のなかで効果を立証してきた漢方薬

漢方薬の歴史はとても古く、実際に残っている漢方の書物のうち、最も古いものは約2200年前といわれています。

2000年以上前の時代から、様々な生薬を組み合わせて作られた漢方薬は、長い時間の中で淘汰されてきました。効かない漢方薬は歴史に埋もれ、効果のある漢方薬だけが次の時代へと引き継がれてきたのです。

たとえば、ご存じの方も多いと思いますが、有名な漢方薬のひとつに「葛根湯」があります。風邪の初期症状などに使われるのですが、実は紀元前200年の書物にも書かれています。2000年以上前から現代に至るまで、その効果が認められているということです。

理論が異なる中医学と現代医学

漢方薬が効果を発揮するための理論は、現代医学の理論とは異なります。そのため、現代医学(西洋医学)に対して、漢方医学(中医学)といいます。

たとえば、病院で漢方薬を処方されて「不味くて飲めない」という話をよく聞くことがあります。

中医学は現代医学とは理論が異なるので、病院の医師が中医学の理論を勉強していない場合、症状にあった漢方薬を選べないこともあります。

実は、症状に合わない=効果の得にくい漢方薬を選んでしまうと、患者さんが飲みにくくなってしまうことがあるのです。

漢方薬にはどんな味がある?

漢方薬の味は大きく5つ(甘味、苦味、辛味、酸味、鹹(塩)味)にわけることができます。

中医学の理論では、それぞれの味に特徴があり、五臓(肝、心、脾、肺、腎)とつながりがあると考えられています。

肝(かん) 心(しん) 脾(ひ) 肺(はい) 腎(じん)
体の臓器や機能 肝臓、血流量や自律神経の調整、運動神経、視覚機能など 循環器系、精神神経作用 消化機能全般 呼吸器系、体温調整、免疫機能など 腎臓、膀胱、泌尿器系のほか、内分泌系や免疫系など
適した
漢方薬の味
酸味 苦味 甘味 辛味 鹹(塩)味

「漢方薬が不味い」「口に合わない」というのは、この臓と味が関係していると考えられます。

苦くても辛くても、不味くない?

たとえば、肝に異常があるときには、生理痛があったり、イライラしたりなどの症状があります。そんなときは、酸味のあるもの(柑橘類)を欲しくなることがあると思います。

これは漢方薬でも同じです。

漢方薬の味は、その症状の原因になっている「臓」に合う漢方薬であれば、苦味や辛味でも意外に美味しく感じやすいという特長があります。

美味しくなくて口に合わないという場合は、その症状と漢方薬が合っていない可能性があります。

症状にあっていない、効果の得にくい漢方薬を飲んでしまうと、「漢方薬は不味い」「漢方薬は効かない」と思うことが多いのです。

症状にあった漢方薬を選びましょう

実際にちゃんと症状に合った漢方薬を選べば、「飲みやすい」と感じてくれる方も多くいらっしゃいます。辛味や苦味があったとしても、それが症状に合っていれば、決して飲みにくくはないのが漢方薬の特長なのです。

調子が良くなくて漢方薬を試してみたい場合には、ぜひ当薬局でご相談ください!

 

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