漢方のお悩み

“痛み”と漢方-1

こんにちは、薬局ぽっぽの大平です。

しばらく続いていた暖かい日も終わり、少しずつ冬の空気を感じられるようになってきました。寒くなってくると増えてくる漢方相談のひとつに、「痛み」があります。

「寒くなると痛みが増す」こんな言葉を聞いたことはありませんか?

今回は「痛み」について、漢方ではどのように考えているのか、3回に分けてお話ししたいと思います。

体を守る“一時的な痛み”

日常生活を送っていて、誰もがふとしたときに「痛み」を感じることがありますね。

痛みには、一時的なものと慢性的なものとの2種類があります。

一時的な痛みとは、たとえば、間違えて針や尖っているものに指をさしてしまったときに感じる痛みです。

「痛い!」と感じると、反射的にすぐ手を引っ込めますね。これは体が危険な状態から逃げるように働いているのです。痛みがなかったら、針が刺さったりしてもすぐに反応することができず、傷は広がってしまいます。

現代医学が発展している今では、多少の傷であれば、抗生剤などを使用することでばい菌の侵入を防ぐことができますが、昔は傷から入ったばい菌が原因で死に至るケースも多々ありました。

“一時的な痛み”は、命に関わるため、私たちに備わっている防衛反応のひとつです

“一時的な痛み”は、生命活動の維持に必要な感覚なのです。

体の不調を招く“慢性的な痛み”

一時的な痛みと比べて、生命活動の維持に必要な痛みではないことも多いのが“慢性的な痛み”です。

たとえば腰痛やリウマチなどのほか、さまざまな病気が原因で慢性的な痛みに悩まされる方がいらっしゃると思います。

また、寒くなると昔ケガをした箇所に痛みが出てきたり悪化したりすることは、多くの方が経験しているのではないでしょうか? 年齢を重ねるにつれて、いろいろなイベントを経験する機会が増えることもあり、中高年以降の方が何かしらの慢性の痛みを抱えることは多くなっています。

痛みが必要以上に長く続くと大きなストレスになり、不眠や気分の低下など体の不調を引き起こしてしまうことにもつながります

なかなか解放されず、長年治療も……

慢性的な痛みに対して、整形外科などの病院で行われる治療は、薬物治療・ブロック注射・手術などがあります。

すっかり良くなる人もいますが、一時的な効果にとどまり、治療を止めると痛みが再発したりするなど、痛みから解放されることは難しく、長年治療を続けている方が多いのが現状です。

そんなとき、選択肢のひとつとして“漢方薬による治療”を考えてみてはいかがでしょうか。

何千年前から現代まで、効果が認められていた漢方薬

寒さからか、冬を迎えると慢性的な痛みに対する漢方相談が多くなってきます。

漢方の歴史をさかのぼると、何千年も昔の書物にも「痛み」についての記載があります。大昔から、痛みに対してさまざまな漢方薬が使われてきたのです。

痛みに対して効果が得られることで、今でも使い続けられている漢方薬はいろいろあります。現代医学だけでは対応しきれないときの選択肢として、漢方薬は十分に効果が期待できると考えています。

さて次回は、漢方(中医学)での痛みの考え方についてお話しします。

 

 

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