こんにちは、薬局ぽっぽの大平です。
みなさんは、秋といえば何を想像しますか? 私はやっぱり「味覚の秋」ですね。美味しいものがたくさん出てきて、嬉しい季節です。
秋の味覚のひとつに「サツマイモ」があります。サツマイモの楽しみ方はいろいろですが、やっぱり焼きいもは不変の美味しさです!
そんな美味しいサツマイモですが、「食べるとおならが出る」なんて話を聞いたことがありませんか?
実はその話、腸内細菌ともかかわりがあるのです。
美味しいサツマイモ、あのウワサは本当?
「サツマイモを食べるとおならが出る」
結論からいうと、本当です。絶対出るというわけではありませんが、“実際に起こりうる現象”といえます。
サツマイモを食べるとおならが出る原因には、「でんぷん」と「食物繊維」が含まれていることがあります。
でんぷんは、グルコース(ブドウ糖)が鎖のようにたくさんつながった状態をいいます
でんぷんと食物繊維が含まれている似た食べものとして、ジャガイモがあります。でも、“ジャガイモを食べるとおならが出る”なんて聞いたことがありませんよね。
これは、サツマイモとジャガイモの成分の“構造の違い”が原因なのです。
成分が似ていても、構造が違うサツマイモとジャガイモ
一般的には、でんぷんと食物繊維を一緒に食べると、でんぷんは小腸で分解・消化されて体内に吸収され、食物繊維は小腸を通過して大腸に到達します。
ヒトの体は食物繊維を分解する酵素を持ってないため、吸収できません
ジャガイモは、2つの成分(食物繊維・でんぷん)は別々になっているので、通常通りでんぷんは小腸で消化・吸収され、食物繊維だけが大腸へと到達します。
ところがサツマイモは、食物繊維がでんぷんに巻き付いている状態になっています。でんぷんが食物繊維の網で囲まれているので、消化酵素が近づけず、小腸でうまく消化・吸収することができません。でんぷんは小腸を通り抜け、食物繊維と一緒に大腸まで到達してしまうのです。
でんぷんは腸内細菌の“ご馳走”
食物繊維は大腸内で腸内細菌のエサとなり、体に良い成分を作り出してくれます。腸活でも食物繊維がオススメされるのはそのためです。
サツマイモを食べると、食物繊維だけでなく、でんぷんも大腸まで運ばれてきます。普段は食物繊維をエサにしている腸内細菌にとって、でんぷんはご馳走のようなもの。好んでたくさん食べてしまいます。
腸内細菌がでんぷんを大量に分解すると、その分解物としてガスが発生します。それがおならの素となるのです。
昔から言われていた「サツマイモを食べるとおならが出る」という話しは科学的にも正しいことだったんですね!
ひと昔前、焚き火で焼きいもを作った経験のある方もいらっしゃるのではないでしょうか。最近はなかなか焚き火はできませんが、最近はスーパーの店内で焼きたての焼き芋が売られていることも多く、手軽に食べられるようになりました。
秋が深まるとますます焼きいもが美味しくなります。たまには腸内細菌にご馳走を与えてやるのもいいかもしれませんね!