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スッキリ解消!
「腸活」基礎知識~便秘のこと-3

こんにちは、薬局ぽっぽの大平です。

GWが終わったばかりなのに、九州南部ではもう梅雨入りとか。ずいぶん早いですが、全国的にはどうなるのでしょう?

さて、前回は現代医学での便秘の考え方についてお話ししました。今回は視点を変えて、中医学(漢方医学)での考え方をお話ししたいと思います。

中医学では、うんちのでき方が違う!

現代医学では、うんちの構成成分の大半が腸の絨毛細胞であることをお話ししました。

中医学には、腸内細菌や柔毛細胞の概念はありません。そのため、うんちのでき方も現代医学とは異なる考え方となります。

中医学では、体を健康に保つ上で重要な「気」「血」は食事から作られます。飯を食べたとき、脾や胃腸で消化吸収され、気・血が作られます。そしてそのご飯の残りかすがうんちになると考えられています。

食べ物 → 気・血 + 残りかす(うんち)

食事から気・血を作るには、脾や胃腸の働きが正常でなければなりません。胃腸が元気だからこそ、気・血を作り、不要なものと選別することができます。

中医学と現代医学では、うんちのでき方が異なるため、便秘の治療法も異なってくることになります。

中医学での便秘の考え方とは?

エネルギーの作られ方が中医学と現代医学では異なるのと同様に、便秘の原因も中医学と現代医学では考え方が異なります。

中医学では、原因の違いから「熱結(ねつけつ)便秘気滞(きたい)便秘血虚(けっきょ)便秘気虚(ききょ)便秘」の4つに分類することができます。

特徴 原因 その他
熱結便秘 体内にこもった「熱」が邪気となって乾燥させてしまい、うんちが出てこなくなることで起こる便秘 お酒の飲みすぎ、辛いものや脂っこいものの食べすぎなど、過食により胃腸に熱がこもり、体内の水(津液)を消耗させて乾燥してしまう 発熱や口渇、にきびなどの症状を伴うことも
気滞便秘 体を機能させるエネルギーである「気」の流れに異常が生じることで便秘 憂鬱や怒りなどの気分の変化やストレスなどが原因となり、気の流れに滞りが生じると、胃腸の動きが悪くなって起こる 現代医学での便秘の一因となる「旅行」や「精神的な緊張」も要因に
血虚便秘 体内の臓器や細胞に栄養を運んだり潤したりする作用のある「血」が不足することで起こる便秘 滋潤作用のある「血」が不足して体内を滋潤できなくなることで、腸管内が乾燥して便秘になる
気虚便秘 体を機能させるエネルギーである「気」が不足することで起こる便秘 食事から気や血を作り出す働きをもつ脾の「気」が不足すると、腸の動きが弱まってしまうため、便が腸に停滞してしまう

同じ便秘でも大きく違う!

便秘に対する考え方は、現代医学と中医学で大きく異なっています。

中医学で考えられている便秘の原因はほかにもあるのですが、今回は主なものについてお話ししました。

次回は、中医学の便秘で使われる代表的な漢方薬についてお話ししたいと思います!

 

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