こんにちは、薬局ぽっぽの大平です。
今年もGWがやってきました。今年は家でゆっくり……という方も多いのではないでしょうか。
さて、そんな春の真っ盛りの今ですが、意外とこの時期に体調を崩す人が増えてきます。新しい環境に慣れて、緊張の糸が切れたりすることも一因と言われています。
また、体調を崩している、というほどでもないけれど、この時期相談が多くなるのが「便秘」です。便秘になったからといって体に著しい影響が出るわけではないのですが、生活の質が下がる嫌な状態となります。
今回は、経験したことのある人も多い「便秘」についてお話ししたいと思います。
環境の変化が影響することも
「普段は便秘なんてしないのに、生活環境が変わったりすると便秘になる」という方は多いものです。たとえば、旅行もそのひとつです。
とくに海外旅行では、時差があるため普段とは起きる時間や寝る時間が変わり、食べ物や水も日本とは異なります。その変化に体がついてこないために便秘が起きてしまうのです。
起床時間や就寝時間の違いや食生活の変化……というと、新生活も同じです。そう考えると、“春は便秘になりやすい”ということもよくわかりますね。
個人差の大きい「便秘」
では、そもそも便秘とは何なのでしょう?
簡単に説明すると、うんちが出ない状態が続くことです。どのくらいの期間うんちが出ない状態をいうのかという、明確なラインはありません。
たとえば、3日間出なくても、それがいつものことで、本人が平気であれば便秘ではありません。逆に毎日うんちの出る人が、3日間出なくて苦しい場合は便秘となります。
このように便秘には個人差が大きく、原因もさまざまなので、その人に合わせた治療・対応が必要になります。
便秘の原因には何がある?
現代医学と中医学(漢方医学)では、便秘の原因についての考え方が異なります。
現代医学 | 中医学 |
水分不足 腸管の動きが悪い |
気虚 血虚 熱邪 |
中医学のほうは、ちょっとむずかしい言葉ですね。でも、言葉の意味は分からなくても現代医学の考え方とは違うことが想像できそうです。
まずはじめに、現代医学の視点から便秘について考えていきたいと思います。現代医学では、便秘に対してどのような治療・対応を行っているのでしょうか?
うんちはどうやって移動している?
「うんち」は、小腸、大腸で吸収されずに残った食物のカスや、腸内細菌、腸の剥がれ落ちた細胞と水分が集まったものです。腸の中を移動して、最終的に肛門から出てきます。(うんちについて、別の記事で詳しく書いているのでぜひ読んでみてください。)
うんちの腸のなかの移動については、腸(とくに大腸)をホースに例えるとわかりやすいと思います。
ホースの中に固形の物体が詰まっているところをイメージしてください。棒などを使わずに、この物体をホースにから取り出すためにはどうしたら良いでしょうか?
物体をホースの口まで動かすことができれば、中に入っている物体が取り出せそうです。物体の存在する部分を押しつぶして少しずつ移動させることができれば、ホースの口まで動かすことができます。
腸もホースと同じように、腸自体を押しつぶしたり、広げたりしてうんちを少しずつ肛門へと移動させていくのです。
現代医学では、“水分が不足していること”“うんちを運ぶ腸の動きが悪いこと”が便秘の原因と考えられています。
では、具体的にはどのようなことなのか……? この続きは次回お話ししたいと思います!
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