こんにちは、薬局ぽっぽの大平です。
今週は夏休みという方も多いのではないでしょうか。今の時期、外出時はもちろん、家のなかでも気をつけたいのが熱中症です。今回は「熱中症」についてのお話の3回目です。
汗をかきすぎても起きる「脱水症」
熱中症でさまざまな症状を引き起こす2つの要因(水分・電解質の不足、体温の上昇)についてお話しました。(参考:いよいよ夏本番!「熱中症」にご用心! ― その2)
そのひとつの要因である「水分・電解質の不足」につながっているのが「脱水症」です。
“汗をかきすぎる”などが原因で体に水がない状態のことを「脱水症」と表現することがあります
では、脱水症とはいったいどういうものなのでしょう?
脱水症でいう「水」とは・・・
脱水症とは、言葉のとおり「水」が体から脱している状態です。
でも、ここでいう「水」は、私たちが普段口にしている「水」とイコールではありません。脱水症の「水」とは、私たちの体内を流れている「体液」のことを指しています。
脱水症とは、体から体液が脱している状態(体に体液が不足している状態)なのです。
体の機能に関わる「電解質」
体液には、水分に加えてナトリウムイオンやカルシウムイオンなどの「電解質」が含まれています。
「電解質」は、神経の情報の伝達、心臓の脈拍や肺の呼吸などの筋肉の働き、血圧の維持など、体の働きほぼすべてに関わっているといえます
夏場の猛暑の中、滝のように流れる汗などによって必要な分の電解質が失われてしまうと、体は正常に機能しなくなってしまいます。
脱水症になったときには、水分だけではなく電解質を補給することも重要なのです。
「脱水症」のとき、水だけを飲むのは逆にキケン?!
脱水症になってしまったとき、電解質がほぼ含まれていない「水道水」を飲むだけでは不十分です。むしろ、電解質の量は増えずに体の中の水分量だけが増えて、体液の濃度が薄まってしまいます。
濃度が薄くなると、電解質のうち、とくにナトリウムイオンが少ない状態である「低ナトリウム血症」となる場合もあります。
「低ナトリウム血症」は、全身倦怠感や吐き気などの症状を引き起こし、悪化すると意識障害、昏睡状態となる場合もあります
体液は一定の濃度に
体が正常に機能するためには、体液が一定の濃度であることが必要です。
では、もし大量の発汗などで脱水症(もしくは疑わしい状態)になってしまったら、どう対応すれば良いのでしょうか?
この続きは次回お話ししたいと思います。
毎日暑いです! こまめな水分補給やエアコンの利用で、熱中症を予防しましょう!
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