漢方のお悩み

「五月病」はなぜ起こる? 漢方で改善を!

こんにちは、薬局ぽっぽの大平です。

GWが明けてもう3週間…… 大型連休が終わると、次の祝日まで2か月ほど空いています。先は長く感じますね……

長い連休の後の仕事や通学は、無意識でもストレスになっていることがあります。それに加えて、ここ数年は5月でも30℃を超える日もありますね。急激な気温の上昇も体にとっては負担となります。

そんな状況もあり、近年は、以前よりもいわゆる「五月病」のような症状に悩まされる方も増えているようです。

今回は「五月病」についてのお話しします!

「怠け病」といわれるけれど……

連休が明けて仕事や学校が始まると、「どうしてもやる気が出ない、朝起きた時にだるい感じがする」など、元気がない状態になる方もいらっしゃるでしょう。

このような「五月病」の症状が現れているとき、中医学では“の状態が正常でない”と考えられています。

中医学の考え方として、気は主に体内のエネルギー源であり、気が十分であると元気に生活が送れて、病邪が体内に侵入するのを防ぐことができます。

ところが、4、5月は気の巡りに滞りが生じやすくなります。

なぜかというと、通常、気は体内を巡っているのですが、新しい生活に少しずつ慣れてきたり、暖かい日が増えてくることで、新生活が始まったころに持っていた緊張状態が緩和されます。

緊張状態が緩和されると、気の流れに滞りが生じてくるようになります。この「気の流れに滞りが生じている状態」を気滞(きたい)といいます。

さらに気滞の状態が長く続くと、肝気鬱結(かんきうっけつ)と呼ばれる状態へと悪化します。肝気鬱結になると、イライラしたり、落ち込みやすくなったり、やる気がなくなったりします。気持ちがマイナスの方向に向かう症状が現れるのです。

ちょうど5月頃に症状が現れやすくなるため、「五月病」という呼ばれ方をするようです。五月病は決してサボり病ではないのです。

気の巡りをよくして症状を改善

やっかいな五月病ですが、適切に対応策をとることで、肝気鬱結の状態を早く改善させることができます。

主な治療法としては、気の巡りを良くすることです。

肝気鬱結は、気の巡りに滞りが生じている状態です。気の巡りを良くする漢方薬(理気薬)を用いることで、気の流れがスムーズになり、過度な落ち込みやイライラ感などの症状が改善されます。

理気作用のある漢方薬で気の流れを改善させつつ、食欲がなければ気が不足しているので気を補う漢方薬を、イライラが強いようであれば気を落ち着かせる漢方薬を合わせて使うことで、症状の改善を図ります。

また、漢方薬以外にも気の巡りを良くする食べ物として、柑橘類があります。香りが良く、適度な酸味と甘味があり、気の停滞を取り除く働きを助けると考えられています。ほかにも、アロマなどで香りをかぐことも多少効果があるとされています。

当てはまる症状があれば薬局に相談を!

五月病は怠け病ではありません。とくに、肝気鬱結の状態となってしまったら、放置していてもなかなか改善できなくなります。

さらに悪化させてしまうケースもあるので、「最近、調子が良くなくて、どうも気力が出ない」とお困りの方は、ぜひ薬局にご相談ください。

 

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