こんにちは、薬局ぽっぽの大平です。
もうすぐ節分ですね。でも実際にはまだ真冬。寒さのピークが続いています。体の芯から冷えるような時期ですが、2月に入ると少しずつ日も伸びて、月の半ばくらいには気温も上昇してくるのではないでしょうか。
あたたかくなるのは嬉しいのですが、そうなると心配なのが花粉ですね……。今回は、春になると悩む人の多い「花粉症」についてお話します!
花粉症は過剰な“アレルギー反応”
「花粉症」は、正式な医学用語では「季節性アレルギー性鼻炎」と呼ばれています。
人が呼吸をすると、大気中を舞っている花粉が体内に侵入してきます。するとそれを排除しようとする機能が働きます。これはウイルスや細菌などが体内に侵入したときと同じ働きで、免疫反応などと呼ばれます。
通常は免疫反応が正常に働いて異物は排除されるのですが、人によっては免疫機能が働きすぎてしまうことがあります。免疫機能が過剰に働いてしまうことをアレルギー反応といいます。
アレルギー反応によって鼻水が出ることをアレルギー性鼻炎、目のかゆみが出ることをアレルギー性結膜炎などといいます。そのため花粉症は季節性のアレルギー性鼻炎なのです。
患者は日本で約3000万人!
日本では、とくに「スギ」から放出される花粉が、ヒトの体にとって異物となる存在となっています。そのため日本人の多くの方が花粉症に罹患しています。
薬を飲むほどではない方もいれば、目のかゆみやくしゃみ、鼻水などの症状が強く日常生活に影響を及ぼしてしまう方など、症状の程度は異なりますが、約3000万人の患者がいるともいわれています。
現代医学は抗アレルギー剤で治療
花粉症を現代医学で治療する場合、主にアレルギー反応を抑える抗アレルギー薬を用いることが主流です。
目のかゆみなどの症状が強い人には目薬、鼻水など鼻炎の症状が強い場合は点鼻薬など、アレルギー反応を薬によって抑えて、症状を改善させます。
効果の高い抗アレルギー薬ですが、欠点は眠気の副作用を引き起こしやすいこと。眠気が引き起こされなくても、仕事や勉強に集中できないなどのぼーっとした症状が現れることもあります。
そのため、重要な仕事や受験勉強などに取り組む方にとっては、抗アレルギー薬は使いにくいお薬でもあるのです。
中医学では同じ薬を使わない!
では、花粉症の症状を中医学的に考えるとどうなるのでしょうか。
中医学では、花粉症はひとつの原因(証)としては考えていません。
患者さんに現れる症状、例えば鼻水や目のかゆみなどに対して、何が原因かを考え、それに合わせた漢方薬を用いるのが治療法のベースになります。
そのため、同じ花粉症でも、患者さんによって使う漢方薬は全く異なることがあるのです。
たとえば、鼻水が出る患者さんと、目や喉のかゆみの出る患者さんの場合で考えてみます。
鼻水が出る場合にはまず鼻水の色や性質を調べます。
水っぽい、さらさらとした鼻水が出る場合には、冷えが原因と考えられるため、治療法は体を温める漢方薬を用います。
逆に黄色っぽい鼻水や鼻づまりなどがある場合には熱が関与していると考えられるので、熱を冷ます漢方薬が効果的となります。
目や喉のかゆみについては、熱が原因であると考えます。そのため、黄色い鼻水が出るケースと同じように、熱を冷ます漢方薬を用います。
漢方薬は眠気がでなくて使いやすい
漢方薬の大きな特長は、抗アレルギー薬と異なり眠気が出ないことです。症状に合った漢方薬を服用していただくことで、仕事や勉強、家事などに影響が出ることなく症状を抑えることができるのです。
抗アレルギー薬による眠気が心配な方、薬が合わない方は、ぜひ漢方薬局にご相談ください。